恵堂地蔵
えどうじぞう
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 この地蔵は、高さ185㎝、上部の幅77㎝、下部83㎝、上部の厚さ36㎝、下部33㎝の花崗岩の自然石に陽刻されており、蓮華座の上に、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ延命地蔵立像である。
 岡山県で二番目に古い地蔵石仏と言われ、鎌倉時代の正和2年(1313)の刻銘があり、有漢町にある嘉元4年(1306)銘の臍帯寺石幢ができた7年後のものである。鎌倉時代末期には石造美術が最盛期を迎え、県下でも貴重なものと言える。
 地蔵の表面右側に「敬白勧進沙弥宗蓮」とあり、沙弥宗蓮の寄進によるものと言われ、その左に「正和二癸丑十一月日」と刻文がある。
この時代は、備中地方などで地蔵信仰が広まっていた頃で、社会生活も苦しく、また疫病も流行した時代であった。この地蔵は以前川のほとりにあり、洪水にたびたびあっていたので地域の人々が道路脇に上げ祀ったもので、この地蔵にまつわる伝説もあり、地域の人々に親しまれている。