薬師院浮刻石仏
やくしいんふこくせきぶつ
地図(広域中域詳細
Google Mapで表示

 戦前までこの地方の農家は、旧正月11日朝を大鍬初と言い、牛を追い出し、ヤレボーと大呼しながら、この地蔵尊に参り、牛馬の仏として信仰されていた。
 花崗岩製の自然石面に総高54㎝の延命地蔵菩薩が、右手に錫杖、左手に宝珠を持ち、光背を付けて仏体をやや左向きに、光背を薄肉線浮彫にされている。無駄を省いた鋭い納衣の文様の力強さなど、簡潔に表現しながら重厚緻密な充実感を示す尊容で、鎌倉時代の作風を感じさせる。