成羽藩勘定所
なりわはんかんじょうしょ
地図(広域中域詳細
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 この建物は江戸時代の成羽藩勘定所で、山崎氏時代の中央役所の面影を伝えており、鬼瓦には山崎氏の家紋である「緋扇之内ニ四ツ目結」が見られ、昔の姿をよく留めている。勘定所は、年貢蔵米管理をはじめ、成羽領財政を支えた高瀬舟運行と運上金管理、領地の約7割を占める山林資源の経営管理、さらには連島や大坂中之島の飛び領支配などを所管しており、成羽領政の心臓部となる重要な役所であった。
 享保15年(1730)の一匁銀札をはじめ、成羽領の古札もたくさん残っており、多量の藩札を印刷発行して幕末維新の財政難に対処した事を記録した村方文書も残っている。重層の頑丈な土壁で囲い、天井の上にのせた瓦葺きの大屋根など周到な耐火盗防災構造をもった建物で、成羽領政の史跡とともに、江戸時代の建造物として貴重である。