旧片山家住宅
きゅうかたやまけじゅうたく
地図(広域中域詳細
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 「近世ベンガラ商家の典型」として国の重要文化財に指定されている旧片山家住宅であるが、玄米蔵・弁柄箱・道具蔵は市の重要文化財に指定されている。
 玄米蔵は、食糧の保管貯蔵庫で、海鼠壁(なまこかべ)を塗り込め、美観と防災を兼ね備えた魅力的な土蔵である。この区域一帯の海鼠壁にある「隠し釘」の「錺金(かざりかね)」は棟ごと、場所ごとにデザインが多種多様に作られている。
 弁柄箱は本来、弁柄を詰める木箱(弁柄箱や運搬箱)を保管するための倉庫として造られたものであるが、町工場の仕事が拡大するにつれ、弁柄箱の作成、弁柄工場から送られた弁柄粉を篩(ふるい)分ける作業など、弁柄箱にかかわる多様な仕事を行う場所であった。
 道具蔵は、日常生活に使われた家具什器類をはじめ、正月行事用具、神事や祭礼の行事用道具など、当時の弁柄窯元の豪華ながら庶民的な生活をしのばせるものが多く収納されていた。