布賀の方柱碑
ふかのほうちゅうひ
地図(広域中域詳細
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 この方柱碑は、俗に「塔様」と呼ばれ、土用の入りにお参りをして、虫祈祷を行ったという。かつては2m以上の長い方柱碑であったが、二つに折れ、上部の部分を台石に立て、下部の部分を堂の右隅に立てかけてある。長さは、中央に祀ってある部分が122㎝、右隅にある部分が98㎝、正方形の一辺がともに26㎝で、良質の大理石で作られている。最上部は水平で数十cm下がった部分に一条の線を刻んで頭部をあらわしている。四仏の文字は中央が「南無大日如来」、左側面が「南無阿弥陀如来」、右側面に「南無薬師如来」、裏面に「南無釈迦如来」と刻んである。右隅にある下部の部分に相当する方柱石には、その上下が欠損し、一辺が堂壁に近接しているために完読できないが、「切諸法空無」「法平等無有」「人心誠本来無」がはっきり読め、「人心誠本来無」の下部に、応永二■ 四月二■(1395)と刻んである。勧進あるいは願主などが不明であるが、室町時代初期を代表する堂々とした方柱碑である。
※■は判読不能な文字