○高梁市景観条例
平成26年6月30日
条例第37号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 景観計画(第8条)
第3章 景観審議会(第9条―第11条)
第4章 行為の規制等(第12条―第18条)
第5章 景観重要建造物及び景観重要樹木(第19条・第20条)
第6章 景観重要公共施設(第21条)
第7章 景観まちづくりの推進(第22条・第23条)
第8章 雑則(第24条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づき、市の景観施策に関し必要な事項を定めることにより、豊かな自然及び先人から受け継いできたかけがえのない歴史的な町並み、美しい農村等の景観を保全するとともに、これらと調和し地域の特性を活かした新たな景観を創造する「備中高梁の風情を活かす景観まちづくり」を進め、もって市民が誇りと愛着を持って暮らせる郷土の実現に寄与することを目的とする。
(1) 市民 市内に在住し、在勤し、又は在学している者及び市内の土地、建築物又は工作物に権利を有する者をいう。
(2) 事業者 市内において商業、工業、建設業その他の事業活動を行う者をいう。
(3) 市民団体 主として市民又は事業者により組織された団体をいう。
(4) NPO法人 特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいう。
(5) 景観まちづくり 市民、事業者、市民団体及びNPO法人と市の協働による地域にふさわしい良好な景観づくりをまちづくりとして取り組んでいくことをいう。
(6) 景観形成 市固有の優れた景観を守り、育て、創造し、次世代へ継承することをいう。
(7) 建築物 法第7条第2項に規定する建築物をいう。
(8) 工作物 建築物以外の工作物のうち、規則で定めるものをいう。
(市の責務)
第3条 市は、景観形成に関する施策を総合的に策定し、計画的に実施しなければならない。
2 市は、前項に規定する施策の策定及び実施に当たっては、市民、事業者及び専門家の意見を反映されるように努めなければならない。
3 市は、公共施設の整備を行うに当たっては、景観形成のために先導的な役割を果たすよう努めなければならない。
4 市は、市民及び事業者に対し、景観形成に関する知識の普及及び意識の高揚を図るため、必要な施策を講じるよう努めなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、自らが景観形成の主体であることを認識するとともに、景観形成に関する理解を深め、自主的かつ積極的な景観形成に努めなければならない。
2 市民は、市が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、自らが景観形成の主体であることを認識するとともに、景観形成に関する理解を深め、土地の利用等の事業活動に関し、自主的かつ積極的な景観形成に努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。
(市民団体及びNPO法人の責務)
第6条 市民団体及びNPO法人は、それぞれの活動の中で、景観形成に関する理解を深め、自主的かつ積極的な景観形成に努めなければならない。
2 市民団体及びNPO法人は、市が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。
(国等に対する協力要請)
第7条 市長は、必要があると認めたときは、国又は他の地方公共団体その他公共団体に対し、景観形成について協力を要請するものとする。
第2章 景観計画
第8条 市長は、法第8条第1項に規定する景観計画を定めるものとする。
2 法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域(以下「景観計画区域」という。)は、市の全域とする。
3 市長は、景観計画区域のうち、次の各号のいずれかに該当する地区のうち、特に景観形成を図る必要があると認める地区を重点地区として景観計画において指定することができる。
(1) 市を代表する優れた景観又は眺望を有し、その保全の必要性又は緊急性が高い地区
(2) 地域の拠点となる地区
(3) 大規模な公共事業又は民間事業の計画がある地区
(4) 地域住民の景観形成に関する意識が高く、まちづくりの機運が高い地区
4 市長は、重点地区を指定しようとするときは、景観計画に当該地区における法第8条第2項第2号に規定する良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項について定めるものとする。
5 市長は、景観計画を変更しようとするときは、あらかじめ次条に規定する高梁市景観審議会の意見を聴かなければならない。ただし、軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
第3章 景観審議会
(設置)
第9条 この条例の規定により、その権限に属することとされた事項その他景観形成に関する重要な事項について意見を求めるため、高梁市景観審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、この条例に定めるもののほか、市長の諮問に応じ、景観形成に関する重要事項について調査し、審議する。
3 審議会は、景観形成に関する事項について市長に意見を述べることができる。
(委員の報酬等)
第10条 委員には、報酬及び旅費を支給するものとし、その額は、高梁市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成16年高梁市条例第35号)による。
(組織等)
第11条 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 行為の規制等
(景観計画との適合)
第12条 景観計画区域内において法第16条第1項各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為が景観計画に適合するように努めなければならない。
(届出対象行為)
第13条 法第16条第1項第1号、第2号及び第4号に規定する行為をしようとする者は、届出書に規則で定める図書を添付して、市長に届け出なければならない。
(1) 土石の採取及び鉱物の掘採(法第16条第1項第3号に該当するものを除く。)
(2) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積
(3) 木竹の伐採
(4) 土地の形質の変更(第1号及び法第16条第1項第3号に該当するものを除く。)
(5) 水面の埋立て
(届出及び勧告等の適用除外)
第14条 法第16条第7項第11号に規定する条例で定める行為は、次に掲げるものとする。
(1) 法第16条第1項第3号に掲げる行為
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第12条の4第1項第1号の地区計画の区域内において行う同法第58条の2第1項に規定する行為
(3) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第43条の2第1項の届出に係る行為
(4) 岡山県自然保護条例(昭和46年岡山県条例第63号)第14条第1項の岡山県自然環境保全地域内又は同条例第16条第1項の環境緑地保護地域等内において行う行為及び同条例第23条の届出を要する行為
(5) 岡山県立自然公園条例(昭和48年岡山県条例第34号)第19条第1項の特別地域内において行う同条第3項各号に掲げる行為及び同条例第21条第1項の普通地域内において行う同項各号に掲げる行為
(6) 岡山県文化財保護条例(昭和50年岡山県条例第64号)第12条第1項、第13条第1項、第26条第1項及び第35条第1項に規定する行為
(7) 高梁市文化財保護条例(平成16年高梁市条例第98号)第8条に規定する行為
(8) 高梁市伝統的建造物群保存地区保存条例(平成16年高梁市条例第101号)第6条第1項の規定により許可を受けなければならない行為
(9) 重点地区における行為で規則に定めるもの
(10) 普通地区における行為で規則に定めるもの
(11) 仮設の建築物の新築、改築、増築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更
(12) 建築物又は工作物の改築で外観の変更を伴わないもの
(13) 地盤面下又は水面下における行為
(14) 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
(特定届出対象行為)
第15条 法第17条第1項に規定する条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げる行為とする。
(事前協議)
第16条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をしようとする者は、その届出を行う前に、市長に対して、当該行為に関する事前協議をするよう努めなければならない。
(届出に対する指導等)
第17条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、景観形成を推進するために必要があると認めるときは、届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう指導し、又は助言することができる。
(勧告等の手続)
第18条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告(以下「勧告」という。)又は法第17条第1項又は第5項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
2 勧告を受けた者は、当該勧告に基づき講じた措置について、市長に報告しなければならない。
3 市長は、勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは、規則に定めるところによりその旨を公表することができる。
4 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表をされる者にその旨を通知し、かつ、意見を述べる機会を与えるとともに、審議会の意見を聴かなければならない。
第5章 景観重要建造物及び景観重要樹木
(景観重要建造物及び景観重要樹木の指定等)
第19条 市長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物又は法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定をしようとするときは、法第19条第2項又は法第28条第2項に定めるもののほか、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
2 前項の規定は、景観重要建造物又は景観重要樹木の指定の解除について準用する。
(管理の方法の基準)
第20条 景観重要建造物の所有者及び管理者が行う法第25条第2項に規定する景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要建造物の滅失を防ぐため、消火器、消火栓その他の消火設備を設けること。
(2) 景観重要建造物への降雨による浸水及び腐食防止のために必要な措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために必要な措置を講ずること。
2 景観重要樹木の所有者及び管理者が行う法第33条第2項に規定する景観重要樹木の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、せん定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失又は枯死等を防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために必要な措置を講ずること。
第6章 景観重要公共施設
(景観重要公共施設の指定)
第21条 市長は、景観計画区域内の道路、河川、公園等の公共施設で、景観形成において特に重要な景観資源として位置付けられるものを景観重要公共施設(法第8条第2項第4号ロに規定する良好な景観の形成に重要な施設をいう。以下同じ。)に指定し、当該公共施設の管理者等との協議により、景観形成のための整備に関する事項その他景観形成のために必要な事項についての基準を定めることができる。
2 市長は、景観重要公共施設を指定しようとするときは、あらかじめ当該公共施設の管理者等と協議するとともに、審議会の意見を聴かなければならない。
第7章 景観まちづくりの推進
(表彰)
第22条 市長は、景観形成に寄与していると認められる建築物、工作物その他の物件の所有者、設計者又は施工者等を表彰することができる。
2 前項に定めるもののほか、市長は、景観形成の推進に特に貢献した個人又は団体を表彰することができる。
(助成等)
第23条 市長は、第8条第3項に定める重点地区において、景観形成に寄与すると認められる行為をしようとする者に対し必要な支援を行い、又は当該行為に要する経費の一部を助成することができる。
第8章 雑則
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成26年7月1日から施行する。
3 この条例の施行の日の前日までに、岡山県景観条例(昭和63年岡山県条例第16号。以下「県条例」という。)の規定により、岡山県知事その他の機関が行った指導その他の行為又はこれらの機関に対して行われた届出その他の行為は、高梁市長が行った指導その他の行為又は高梁市長に対して行われた届出その他の行為とみなす。
4 前項の規定により高梁市長に対して行われたものとみなされた届出その他の行為に係る助言及び指導並びに法第16条第2項の規定による変更の届出については、県条例の例による。