○高梁市手話言語条例

平成29年3月21日

条例第4号

前文

手話は、ろう者が物事を考え、コミュニケーションを図り、社会活動に参加し、人間関係を育み、成長していくために使われてきました。手話は、音声言語とは異なる言語であり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語であり、豊かな社会生活を営むためにろう者に大切に受け継がれてきたものです。

しかしながら、過去には手話が言語として認められず、手話を使用することができる環境が整えられてこなかった歴史があります。

このため、ろう者は、必要な情報を十分に得られず、多くの不便や不安を感じながら生活してきました。また、ろう者以外の者もろう者を理解する機会が少なく、お互いが十分に分かり合うことができませんでした。

このような状況の中、障害者の権利に関する条約や障害者基本法において、手話が音声言語と同様に言語であることが明記されました。

これを機に、高梁市では、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解促進及び普及を図り、もって手話が言語として日常的に使える地域社会の構築と、ろう者とろう者以外の者が共生できるまちづくりを推進することを決意し、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進、手話の普及及び手話を使いやすい環境の構築に関し、基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、総合的かつ計画的に施策を推進し、もってろう者とろう者以外の者が共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。

(基本理念)

第2条 手話の理解促進及び普及は、手話が言語であること及びろう者が手話によりコミュニケーションを図る権利を有することを前提として、ろう者及びろう者以外の者が、相互に人格と個性を尊重することを基本として行わなければならない。

(市の責務)

第3条 市は、前条の基本理念に基づき、手話に対する市民の理解を広げ、手話を使いやすい環境にするための施策を推進するものとする。

(市民の役割)

第4条 市民は、手話への理解を深め、市が推進する施策に協力し、ろう者が暮らしやすい地域社会の実現に寄与するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、手話への理解を深め、市が推進する施策に協力し、ろう者が利用しやすいサービスを提供し、ろう者が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。

(施策の推進方針)

第6条 市長は、第3条に規定する施策を推進するための方針(以下「推進方針」という。)を策定するものとする。

2 前項の推進方針の策定においては、次の事項を定めるものとする。

(1) 手話の理解促進及び普及に関する事項

(2) 手話による情報取得及び手話を使いやすい環境づくりに関する事項

(3) 手話による意思疎通支援者の育成等に関する事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

3 市長は、推進方針の策定に際し、あらかじめろう者、意思疎通支援者その他関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

(委任)

第7条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

高梁市手話言語条例

平成29年3月21日 条例第4号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉/第4節 障害者福祉
沿革情報
平成29年3月21日 条例第4号