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市長所信(平成24年3月)

ページID:0007893 印刷用ページを表示する 掲載日:2012年3月5日更新

 皆様おはようございます。
 ことしの冬は全国的に豪雪、また寒気に覆われ、日常生活に支障を来した地方もあったわけでございますが、幸いにいたしましてこの高梁地域におきましては、寒さというものは例年以上でございましたが、降雪が少な目であったということ、そしてまた現在のところ大きな災害もなく安堵しているところでもございます。
 本日平成24年3月定例議会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多用中にもかかわりませず御参集を賜りましてまことにありがとうございます。また、平素から市政全般にわたりまして御理解、また御協力を賜っておりますことに厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 本議会に提案をいたしております議案は74件であります。提出議案の説明に先立ちまして、諸般の報告と市政に取り組む所信の一端及び施策の概要等について述べさせていただきたいと思います。
 まず、諸般の報告をさせていただきます。
 2月12日、非常に穏やかな日差しの中で第33回愛らぶ高梁ふれあいマラソンが開催をされました。沿道の声援、また市民によるおもてなしで大会を盛り上げていただいたところであり、市内外からの申し込みが3年連続して1,000人を超えるということで、1,072名がエントリーをし、最終的に977名が完走されました。また、昨日は第25回体力づくりなりわ健康マラソンが開催をされ、小雨の降る天候ではありましたが、356人の参加申し込みがあり成羽の町を駆け抜けられたところであります。いずれの大会も高梁を内外に発信していくことと、そして市民の健康づくりの増進にいい機会となったものと思っております。
 2月23日には、昨年の東日本大震災から1年を迎えようとしている時期となったことから、福島県浪江町で復興事業の中心的役割を担っている浪江町職員による講演会や、本市から浪江町への派遣職員による報告会を近隣の行政関係者を含め140名の参加を得て開催をしたところでございます。
 震災発生から今日までの現地の状況や、また今後必要となってくる支援の内容を研修し、職員を初め参加者が大災害に対して行政が担う役割の重要性を再認識することができたと思っております。本市におきましては、大震災発生直後から職員派遣を行ったほか、発災10日後に被災された方への支援策を議会の御理解もいただき打ち出したところであります。その結果、3月1日現在で22家族69人の方が市内の公営住宅等に入居をされており、県下の公営住宅等への入居者の3分の1を超える方が高梁市へ来られている状況であります。来られた方の多くは子育て世帯で、高梁を選ばれた理由といたしまして、18歳までの子どもの医療費の無料化を一番に上げておられたほか、おコメの支援や吉備国際大学との連携によります心のケアなどの対策が充実をしていること、地勢的にも海がなく、また地震などの大規模自然災害もほとんどないという安心感が持てることも大きな要因であったようであります。今後も引き続き、職員派遣などの人的、物的支援を初め、被災された方々の受け入れやサポート体制を充実してまいりたいと考えております。
 総務省によります平成23年中の人口移動報告が1月末に公表されております。岡山県は14年ぶりに転入超過の県となっております。県南部での転入者の増加が超過の大きな要因でありますが、本市におきましても44人の転入超過となったところであります。人口の流出が続いていた本市にとりまして注目すべき結果であり、この要因はさまざまあろうと思いますのでしっかりと分析を進め、今後も定住人口の減少に歯どめをかけるべく、努力をしてまいります。
 ことしに入ってから建物火災が相次いで発生をしており、一昨日も川上町で火災が発生したところであります。また、これまでの中で1件はお一人の犠牲者が出てしまいました。亡くなられた方に対しまして衷心より御冥福をお祈り申し上げるものでございます。東日本大震災以降、全国の救急消防援助隊などによる派遣活動を初め、地域の防災、防災のかなめとなる消防の重要性が再認識されています。今後も消防行政に求められる消防力の充実に努めていきたいと考えております。
 今後予定されている事業やイベントについてでございます。
 まず、昨年11月29日に企業立地協定を結びました東伸運輸株式会社が立地予定の玉川町沖ノ原工業団地の進捗状況でございます。
 12月に測量設計業務に入り、2月中旬から造成工事に着手をしているところであります。3月末の完了を目指しており、その後工業団地の売却手続を進めてまいりたいと考えております。東伸運輸株式会社では、ことし10月までにトラックヤード及び物流棟の完成を目指すこととされております。物流の円滑化、また雇用機会の創出に期待をしておるところでございます。
 FC高梁吉備国際大学の活躍はたびたび申し上げているところでございますが、チャレンジリーグへの参戦2年目も今年度に続き連覇を期待いたしておるところでございます。連覇が達成されますとなでしこリーグへの昇格が現実のものとなってまいりますが、本市といたしましてもその前提となるなでしこリーグへの準加盟申請に必要となる地元自治体の支援を日本女子サッカーリーグに対しまして過日表明をさせていただいたところでございます。今後関係の皆様の御協力をいただきながら、夢に向かってともに進んでまいりたいと考えております。
 それから、少し先のことになりますが、第2回となりますヒルクライムチャレンジシリーズ高梁大会を10月6日、7日に開催を計画いたしております。本年度はさらに身近な大会となるよう、高梁吹屋ふるさと村大会として開催をいたします。
 以上、諸般の報告とさせていただきます。
 次に、市政に取り組む所信の一端を述べさせていただきます。
 私にとりましては任期の最終年となります。市政運営の基本的な方向は「ひと・まち・自然にやさしい高梁」を都市像に掲げた高梁市新総合計画を基本とすることに変わりはございません。新年度は総合計画の3年目であり、今年度までに土を耕し、種をまき、芽吹きつつある事業を大きく育てていくとともに、さらに新たな芽も誕生させる年でもあります。そのためには、総合計画の実現に向け財源確保に努め、コンパクトな財政基盤の確立を図り、変革、変動する社会情勢への柔軟な対応を行うため、総合計画と並行して策定をいたしました第2次行財政改革大綱実施計画に掲げている後世に負担を残さないシステム構築を目指す必要があります。特に、平成27年度以降、合併の特例がなくなった後の高梁市政を円滑に進めるためにも、今から第2次行革に基づいた事業の選択や優先実施、職員の削減や施設の見直しなど、不退転の決意を持って進めていかなくてはなりません。
 さらに、高梁市を取り巻く環境は、少子・高齢化、過疎化が確実に進んでおり、地域経済はギリシャ危機に端を発する急速な円高や原油高など、回復基調にはいまだ及んでいないのが現状であります。私は、こうした厳しい環境下であればこそ、高梁市が生んだ幕末の藩政改革をなし遂げた教育者でもあります山田方谷先生の教え、至誠惻怛にあらわされているように、真心と慈愛の精神によって物事に接するという考えに立ち、現在の状況を前向きにとらえ、課題解決に向けて挑戦していくことが高梁市の未来を切り開いていくものと考えております。
 これらのことから、これまでの3年間の取り組みをさらに深く掘り下げ、直面する課題への対応を具現化していくための重点施策として、平成24年度において定住、子育て施策、交流施策、環境施策、健康施策の4項目を柱に据え、優先的な財源配分とともにめり張りのきいた市政を展開していきたいと考えております。
 まず、定住、子育て施策であります。
 いかに人口減少に歯どめをかけて、そして住んで安心できるまちをつくるかが求められております。定住には、住居、そして生活環境、子育て、就業などさまざまな施策が必要となってまいります。中でも、次代を担う子どもたちが夢を描くことのできる施策、安心して子育てができる環境づくりは重要と考えます。
 若年層を中心とした定住促進施策では、これまでの定住促進住宅建築費等助成金事業を拡充し、より利用しやすくいたします。また、地域優良賃貸住宅整備事業に加えまして、地域ぐるみの空き家活用モデル事業や学生宿舎活用促進事業の新設を行います。そして、新たな宅地造成事業にも取り組むことといたしております。
 高梁子ども夢プランを指針とし、安心して子どもを生み育てる環境整備に努めることといたしております。新たに5つの幼稚園での学校給食の試行を始めます。読書が子どもの成長にもたらす影響は大きいものがあります。この読書での勉強の仕方を教えるということも非常に重要であるということから、小・中学校区での図書館司書の増員を行います。
 さらに、小・中学校、幼稚園全校への扇風機の設置、また3世代によるニュースポーツ大会の開催などに取り組むほか、不妊症対策に加えて新たに不育症対策についても支援をしてまいります。
 支援保育につきましては、すべての公私立保育園へ取り組みを広げるとともに、引き続き18歳までの子ども医療費の無料化、また高校生の通学費助成事業を継続することといたしており、今まで以上に子育て対策に力を注いでまいりたいと考えております。
 一方、定住、子育てのいわゆる川上の部分であります結婚段階での施策の充実も重要であることから、結婚推進事業としましてスポーツをテーマとした婚活支援事業のほか、各地域での婚活への取り組みを支援していきたいと考えております。
 人口減少と高齢化の進む地域のコミュニティ機能を向上させるため、地域おこし協力隊を設置するとともに、町内会活動等奨励金を創設し、地域力の維持強化を図ってまいります。
 こうした定住、子育て対策を推進するため、定住対策室を設置するとともに、多次元的横断組織、いわゆるマトリックス組織を構築し、関係する部署が共通理解のもとでこの課題に当たることといたします。さらには、市内の関係機関とも連携をし、総合的な取り組みを進めることといたしております。
 次に、交流施策であります。
 観光やスポーツなどの多様な交流活動の推進により地域の活力を高めるとともに、観光振興を初めとする地域経済の活性化に結びつけることが重要であると考えております。
 松山踊りにぎわい再生事業の展開や備中神楽、渡り拍子の伝承活動を支援することによりまして、高梁の伝統文化に子どもたちが直接触れることによって高梁のよさを学び、誇りに思うとともに、市内外への情報発信を行い、歴史まちづくりの推進と相まって、高梁を訪れる人の増加を目指してまいります。
 また、市内の文化、スポーツ施設を利用して交流活動を行う団体に対し奨励金を交付する高梁市文化・スポーツ交流事業奨励金を創設し、交流事業の積極的な誘致を展開いたします。
 ヒルクライムチャレンジシリーズ2012高梁吹屋ふるさと村大会を開催いたします。本市を世界に向けて発信していける、また環境に優しいまちとしてアピールできる絶好の機会でもあります。新たな観光人口や交流人口を開拓し、一年を通じて継続的な地域づくりやまちづくりにつなげていくことが可能となるよう、大きな期待を持って取り組んでまいります。そのためには、市民ぐるみでの事業参画が欠かせません。体制の立て直しとともに仕組みづくりを進めてまいります。
 備中高梁PR大使をお願いいたしております倍賞千恵子さん、小六禮次郎さん御夫妻には、特産品や観光地など高梁市の魅力を広く全国に発信していただきます。
 また、ボンネットバスを活用した観光事業の展開、観光タクシー運行事業、高梁観光・交流アクションプラン推進事業など、継続、充実実施してまいります。
 次に、環境施策についてであります。
 環境について今ほど注目されたときはないと思っております。地球環境の保全、また身の回りの環境づくりなど市民一人ひとりの取り組みというものから始めていかないといけないと考えておるところでございます。環境に優しいまちづくりということで、今議会に高梁市環境基本条例の制定をお願いいたしておるところでございますが、この基本条例に基づきまして早期に高梁市環境基本計画の策定を行うことといたしております。
 具体的な施策としましては、里山林再生事業、里山整備促進事業による山林の活性化や資源の活用を進めます。また、太陽光発電システム設置費補助を引き続き行うとともに、生ごみの堆肥化事業も拡大をし、地域で必要なものは地域で調達するといった仕組みをつくっていきます。新たに環境月間というものを設け、地域で行われているクリーン行事にチーム対抗の要素を取り入れたチャレンジごみ拾い大会などに取り組むほか、地域コミュニティなどでの道路の草刈り助成を増額いたします。
 次に、健康施策についてであります。
 だれもが健康でありたいと願っています。健康で安心して暮らせるまちづくりはその基本であります。市民の皆さんが気軽に健康づくりに取り組める環境を整えていきたいと考えております。
 健康に暮らせる生活の支援を行うため、高齢者の健康づくり支援事業、いきいき外出支援事業や健やか高齢者生きがい支援事業を引き続き行ってまいります。
 国土交通省や岡山県と共同で、高齢者の外出サポート事業としてシニアカーを活用した外出支援策に新たに取り組むことといたしております。
 健康増進施設である「ゆ・ら・ら」を活用した健康づくり教室や高齢者健康づくり支援事業の拡充を図るとともに、各種健診事業を実施してまいります。
 さらに、築後35年となり老朽化が著しくなりました高梁市民プールの改築を行いまして、より利用しやすい施設としていくことといたしております。
 新たな施策といたしまして、「ゆ・ら・ら」を利用しての健康づくりプログラム事業、食育推進事業、「ゆ・ら・ら」総合健診事業の実施、また障害のある方や高齢の方、青少年やスポーツ少年団に対する入館助成策を設け、「ゆ・ら・ら」の利用促進を積極的に行ってまいります。
 一方、「ゆ・ら・ら」につきましては、昨年5月末に再オープンをいたしておりますが、想定した利用状況には至っていないところであります。市としましても、健康づくりプログラムの充実を図るとともに、経営環境の改善に取り組んでいくことが必要であると考えております。また、指定管理者であるトラベルシリウス社には、今まで以上に経営努力を行い、安定した経営に努めていただきたいと考えております。
 ここで、「ゆ・ら・ら」にかかわる一連の取り組みにつきまして総括をしてみますと、本来民間活力を活用して運営を行ってきた施設でありますが、厳しい経済環境のもと所期の目的達成が揺らいできたために10年を経た段階で改めて市民の健康増進にシフトした運営を目指していくこととなったことは御存じのとおりでございます。その時点でこの目的に沿った形での公募という選択をしたわけでありますが、その過程において市民、市議会の皆さんや新旧の指定管理者には御心配、また御苦労をおかけしたと考えており、市長としての責任も感じております。一方で、大きな柱としておりました市民の健康増進につきましては、健康づくりプログラムの導入により利用者がふえてきており、一定の成果が上がってきているということも思っております。いずれにいたしましても、当時の判断はその時点でよしとしたものであったと考えておりますが、今後市民の皆さんに一層親しんでいただけるよう皆様の声に真摯に耳を傾けながら努力していかなければならないと肝に銘じているところであります。
 重点施策として新年度優先的に取り組む事業は以上のとおりでございますが、このほかにも市政の課題解決に向け積極的に各種事業に取り組むこととしております。
 課題の1点目でございますが、歴史的風致維持向上計画の事業実施であります。
 御存じのように、平成22年にいわゆる歴史まちづくり計画が国の認定を受けることができました。この計画に基づき、平成23年度から各種事業に取りかかっております。新年度は新たに御殿坂修景整備事業、また武家屋敷通り景観修景事業、笹畝坑道整備事業、そして吹屋小学校校舎保存修理を目的とした基本設計を行うことといたしております。また、ソフト事業といたしましては、備中松山踊り保存調査事業に本格的に着手するとともに、備中神楽や渡り拍子の保存伝承活動推進に引き続き取り組んでまいります。またさらに、高梁市のすぐれた景観を守り育てつくっていくために、景観まちづくりの指針となります景観計画の策定を平成25年度を目途に行ってまいります。
 学園文化都市づくりについてであります。
 順正学園におかれましては、平成24年度に心理学部こども発達教育学科に通信教育部を開設されるとともに、順正高等看護専門学校には社会福祉専門課程介護福祉学科を開設されることとなっております。入学生数も学園の御努力と、そして市の支援措置の相乗効果によりまして減少傾向に歯どめがかかっており、学科の増設等により増加に転じることを期待しております。引き続きの支援を行ってまいります。
 公共交通の再編についてであります。
 公共交通の再編については、平成22年に策定をいたしました高梁市地域公共交通総合連携計画に基づき実証運行等に取り組んでおり、昨年10月からは備中地域で乗り合いタクシーの運行を行っております。2月17日には利用者数が延べ1,000人を超え、順調な利用が続いております。4月からは成羽地域の生活福祉バスの運行改善と一部乗り合いタクシーの導入を計画いたしておりますし、川上地域における運行再編に着手したいと考えております。
 中山間地域を多く抱える本市にとりまして生活交通の確保は喫緊の課題であり、国、県ともに協働して進度を速め、対策を講じていくことが必要と考えております。
 次に、農林業の振興についてであります。
 本市の農業基盤は、中山間地域であるがゆえに経営的に大変厳しい状況が続いております。このため、耕作放棄地の増加防止と就労意欲の向上を図るため、共同で農業機械を購入する際に新たに購入費の一部を補助することとしたほか、放棄地での栽培に適した作物の導入を図っていきたいと考えております。また、本市の特産品でありますピオーネ、トマトなどについて、生産農家への機械、設備経費の助成、農業体験実務研修、就農奨励金支給などを引き続き行ってまいります。さらに、土地改良事業、農林道整備事業など、農業基盤整備の充実も図るとともに、環境保全型農業直接支援対策事業や農用地集積事業を実施し、農業振興を図ってまいります。
 商工業の振興につきましては、商工会議所、また商工会等との連携を図り、景気の低迷による企業の資金繰りの悪化、設備の近代化などに対応するため、利子補給期間の延長や企業誘致奨励金の充実に取り組みます。また、地域経済の活性化と定住促進のため、今年度創設した住宅リフォーム事業に対する補助を引き続き行ってまいります。
 平成25年度からの平川小学校、湯野小学校の富家小学校への統合であります。平川小学校、湯野小学校の学区民の方々には、地域のシンボルである小学校の閉校であり、苦渋の選択を賜りましたことに心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 また、今月3月20日には吹屋小学校、24日には布寄小学校で最後の卒業式にあわせて閉校式をとり行うことといたしております。設置者として学校を閉じることは大変残念なことでありますが、しかし次代を担う子どもたちが心豊かにたくましく成長することを願ってのことであり、御理解並びに御協力をお願いするものであります。
 高梁市新庁舎建設についてであります。
 市庁舎の整備につきましては、今年度5回の特別委員会が開催され、別途3カ所の視察研修も行われる中で、庁舎整備の方針について御審議をいただいたところであります。その結果、事業費20億円、建築延べ面積6,000平方メートルを基本に、庁舎位置は現位置とし、庁舎前駐車場と正宗公園を含めた一団の用地の中で最も合理的な建設を行うこととし、プロポーザル方式により提案を募ることとなったところであります。今後は、3月中に審査委員会を設置し、審査を経た後、5月中を目途に最優秀者の決定を行い、設計に入ることといたしております。
 また、庁舎との複合化を検討いたしておりました図書館の整備につきましては、高梁中央図書館建設計画策定委員会や内部委員会を開催し、これまでの経過や基本計画の策定について協議、報告をさせていただいたところであります。
 次に、備中高梁駅前広場整備と駅のバリアフリー化についてであります。
 今年度当初予算におきまして、この駅前広場整備の実施計画、そしてそれに伴い移転となります備中高梁駅の基本設計費の予算を議決いただきましたが、予算執行に当たっては慎重に遂行するよう附帯決議が付されたところであります。市としましては、駅のバリアフリー化についてJR西日本と協議を行っているところでございますが、日本政策投資銀行によります地域づくり健康診断も実施しており、市街地を含めて高梁市の現状把握、これは強みでもあり、また弱みでもありますが、これを行い、まちづくりの方向性を定める都市ビジョン策定の準備をしております。したがいまして、平成23年度当初予算に計上した設計費につきましては、この3月補正予算において一たん減額することといたしたところであります。今後は、これらのことを踏まえて、都市ビジョンの中で備中高梁駅前周辺の整備について方針決定をしたいと考えております。
 最後に、国民健康保険成羽病院についてであります。
 高梁市国民健康保険成羽病院の建築でありますが、東日本大震災の影響で完成におくれが生じるのではないかとの懸念もございましたが、現時点では順調に推移をいたしております。本館部分につきましては7月末に完成をし、9月からは新館での診療開始を予定いたしておるところでございます。その後、現在の建物の取り壊し、また外構工事を行い、本年12月末の完成を目指してまいりたいと考えております。
 病院の経営状況につきましては、年々収支は改善をしてきており、今年度においては赤字が大きく減少する見込みとなっております。これは院長先生を初め、病院関係者各位の努力のたまものであると思っております。今後も健全経営を目指して取り組んでまいります。また、病院の地方公営企業法全部適用に向けての病院事業管理者につきましても、関係機関とも連携をしつつ、選任に向けて努力をいたしておるところでございます。
 以上、市政に対します所信を申し述べさせていただきました。
 現下の難局を乗り越え、ふるさと高梁がいつまでも潤いと活力のあるまちであり続けるために、引き続き歴史、伝統文化を生かしつつ、新たに発展するまちづくりの基盤を構築し、本市の最も誇るべき重要な資源であります市民の力が最大限に発揮されるもてなしと活気あふれるまちづくりを推進し、市民の皆様が高梁市民であることに誇りを持ち、住んでよかった、高梁を愛していると言えるまちを目指していきたいと思います。まさに、人づくり、まちづくり、心づくりの推進であろうと思います。そのためにもしっかりと将来を見据えながら慎重に検討しつつ、大胆に決断をし、積極的な市政運営を行ってまいりたいと考えております。