ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地トップページ > 高梁市消防本部 > 入浴事故予防の注意点

入浴事故予防の注意点

ページID:0002247 印刷用ページを表示する 掲載日:2013年4月1日更新

 入浴事故予防の注意点                                                 

  高齢者の溺水のほとんどは入浴中の意識障害にともなう入浴事故により起こります。入浴中の死亡事故は年々増加傾向にあり(年間約14,000人)、交通事故死(年間約10,000人前後)よりも多くみられます。 入浴中の急死・急病の原因は、心肺停止、脳血管障害、一過性意識障害(失神)、溺水・溺死とされます。入浴事故は冬期に、かつ寒冷地に多く、また心肺停止は自宅浴室での発生がほとんどで、人目の多い公衆浴場では認められていません。 入浴事故死はシャワー浴が主体の欧米では極めて少ないので、日本特有の入浴形式(浴槽につかる)が入浴中急病・急死の誘因と考えられています。

    入浴中の事故死の増加の原因として、高齢者の人口比率の増加、核家族化の進行や内湯の普及といった社会的なことと、入浴にともなう循環動態や自律神経系の変化といったことがあげられます。

温熱作用と静水圧作用 

  入浴にともなう物理的作用として温熱作用と静水圧作用があげられます。浴槽につかることで、温熱により末梢血管が拡張し、血流が脳や心臓などから末梢血管に再分布します。一方、身体(腹部から下半身)に水圧(静水圧)がかかり、静脈還流が増加し血圧および心拍出量が増加します。これら臓器血流の再分布は、高齢者では虚血症状の生じる原因となります。 また浴槽内で立位をとると急激に静水圧が解除され、心拍出量が低下し失神、めまいを生じることもあります。

入浴に伴う血圧の変動                       

    入浴に伴い血圧も著しく変動します。寒い脱衣所での寒冷暴露により急激な血圧上昇がもたらされ、脳出血のリスクが高まります。その後の温浴による血圧下降は脳や心臓、消化管など重要臓器の血流の低下をもたらし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクとなります。 日本人に多い長時間の高温浴は発汗による脱水や血液凝固亢進状態をおこし、さらにリスクを増大させます。血圧低下は湯温にも影響され、高温浴(42℃)では出浴後の血圧低下は12時間まで持続するといわれています。血圧低下が長時間持続するため、入浴中のみならず出浴後も脳梗塞や心筋梗塞を合併する可能性が高くなります。
  高齢者では上記のような血行動態の変動に対する自律神経系の反応が低下しており、そのことが入浴中あるいは入浴後の意識障害を引き起こし、入浴中事故につながっていると考えられます。浴槽内での意識障害や脱力発作は溺水・溺死につながります。

yokusitu

入浴事故予防の注意点                       

・脱衣所や浴室をあらかじめ暖め、入浴時の温度差を少なくする。

・浴槽は浅め(あるいは水位を低く)で半身浴が望ましく、縁に手をかけておく。

・ぬるめの温度(39~41℃)で、長湯はしない。

・一日の中で体温が上昇し、血圧の安定する16時から19時頃までの入浴が望ましい。

・血圧下降の原因となるような飲酒や食後の入浴や、入浴中の急激な起立は避ける。

・入浴後は水分を補給する。

・高齢者が入浴しているときは、家人や周囲のひとが声かけするようにする。 単身者の場合、出浴時に浴槽の栓を抜く習慣をつけるのも溺水の予防となります。  

<外部リンク>