飼い主のいない猫(いわゆる野良猫)によるフン尿被害や鳴き声により悩まれている方がいる一方で、自宅や近所の空き家などにいる猫をかわいそうに思いエサをあげる方もいます。それぞれの立場や考えは異なりますが、共通するのは「不幸な猫を減らしたい」という思いではないでしょうか。
地域猫活動とは、飼い主のいない猫を地域住民が主体となり、継続的に適正な飼育管理を行うことで、一代限りの命を全うさせ、飼い主のいない猫の数と猫による被害を減らし、住みよい地域を作ることを目的とする活動です。
地域猫活動は、飼い主のいない猫による地域問題の解決に有効な方法と考えられ、国もガイドラインをつくるなどして推奨しています。
活動の実施には地域住民の理解が必要です。活動の趣旨を説明し、理解を得た上で行いましょう。話し合いには猫が苦手な人や猫の管理に批判的な人へも参加を呼びかけてください。活動内容の十分な周知や理解がないまま一方的な活動を行うと人間同士のトラブルの原因になりかねません。
エサやり場は地域に迷惑がかからない場所に固定します。決まった時間にエサを与え、それ以外の時間・場所では与えないようにしましょう。エサの量は猫が食べきれるだけを与え、食べ終わるのを待って容器を回収し、周辺の清掃をしましょう。置きエサは、カラスやネズミが集まったり、害虫が発生するため、絶対にやめましょう。
ルールを決めて、適正なエサやりを行うことで、エサの散乱やゴミあさりを防ぐことができます。
地域住民の合意が得られた場所にトイレを設置します。排泄物は速やかに片づけ、常に清潔を保つようにしましょう。定期的にパトロールを行い、設置したトイレ以外の場所で排泄してしまった場合も、すみやかに処理・清掃を行いましょう。
トイレの設置・管理を行うことで、フン尿の被害が改善され、環境美化が進みます。
地域猫活動に不妊去勢手術は不可欠です。性成熟する前(生後6か月頃)に、オス、メスともに行うことが必要です。地域のすべての飼い主のいない猫の不妊去勢手術は、1回の捕獲では完了しないため、不妊去勢手術をした猫と未実施の猫を識別する必要があります。主な識別方法として、手術の際に片方の耳をV字にカットします。
不妊去勢手術を行うことで、不幸な子猫が生まれなくなるとともに、発情期の鳴き声、尿マーキングや独特の臭いが軽減されます。
地域猫活動の具体的な進め方は、岡山県の岡山県猫の適正飼養ガイドライン [PDFファイル/1.14MB]、地域猫活動パンフレット [PDFファイル/3.03MB]を参考にしてください。
「動物の愛護及び管理に関する法律」により、猫は愛護動物と定められており、みだりに傷つけたりすることは禁じられています。また、病気やケガなどの場合を除き、行政機関が捕獲することもできません。なお、犬の場合は、狂犬病予防のため「狂犬病予防法」において、抑留、捕獲が認められています。
一般的に野良猫の寿命は、3~5年といわれています。地域猫活動により、適正な飼育管理が行われれば、猫の頭数を自然に減らしていくことができます。
岡山県動物愛護センターでは、「岡山県地域猫活動支援事業」を実施しています。
地域猫活動についてもっと詳しく知りたい・活動を実施したい場合は、岡山県動物愛護センターのホームページをご参照ください。
・岡山県動物愛護センター「地域猫活動の支援について」<外部リンク>