薬師院本堂
やくしいんほんどう
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 瑠璃山薬師院泰立寺は寛和年中(985年頃)の創建で、真言宗善通寺派、本尊は薬師瑠璃光如来である。
 薬師院本堂は間口、奥行きともに3間の単層入母屋、向拝造りである。棟札に元和10年(1624)とあり、江戸時代初期の建築であるが、随所に雄大豪華な桃山時代の建築様式がうかがわれる。
 屋根勾配と華麗な軒反り、二重繁垂木、特に向拝柱の桁上の部分の曲線と、手挟みの豪快な彫刻の手法、また正面入口の桟唐戸の菱格子の透かし、下部の残欠した入子板の花鳥の丸彫、軒廻りの斗栱(ときょう)の木鼻が鳥のくちばしのような茨(カスプ)を持っていることなど、桃山時代の特徴がみられる。