頼久寺石灯籠
らいきゅうじいしどうろう
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 この灯籠は、竿が円形になっているが、基礎・中台・火袋・笠は四角で、形式としては四角形に分類されるものである。石材は花崗岩で、総高148㎝の背の低いもので、竿は三節になり、中節をはさんで、その上下に「暦応第二 十二月日沙弥西念」と刻まれている。この刻銘によれば、暦応2年(1339)12月に沙弥西念がこの灯籠を造立したもので、その字体彫法は、南北朝時代を物語る豪放なものであり、竿自身も丈は短いが、節の手法全体の形はよく時代の特徴を表わしている。
 基礎と笠は江戸時代中期以降、中台、竿、火袋は南北朝時代のものと推定されるが、中台、火袋、笠は別のものからの転用であると考えられる。全体としては部品の異なる寄せ灯籠であり原状はさだかでない。
 なお、京都大徳寺孤篷庵にも同じような寄せ燈籠があり、遠州好みと言われている。