祇園寺境内に請来されたもので総高5mの花崗岩製の十三重層塔である。 初層軸部に金剛界の四仏種子(梵字)を刻んでおり、その字体は平底彫りで、彫りは浅く肉太であり、初層軸部の四稜線、二層目よりの軸部の形状や十三層目笠部の「起り(むくり)」あるふくらみなど、総合的に塔の古様を示している。また全体の塔姿の安定した形から感じられる作風は、平安時代の十三重層塔に似ているが、鎌倉時代初期から中期にかけての優れた作品であるといえる。 なお、この「起り」には時代的に疑問があるという説もある。