舟津の石塔婆
ふなづのせきとうば
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 玉川町の県道の上に位置する自然石を利用した石塔婆である。康永第二(1343)の銘があり、南北朝時代に建立されたことが確認でき、玉八幡神社石塔婆と同年に祀られたと考えられる。高さ120㎝、幅61㎝、厚さ26㎝である。上部には阿弥陀三尊種子が刻まれているが、銘文に法華経二千部を供養したことが示されており、阿弥陀信仰と法華経信仰の双方がみられる。
 法華経の二千部のうち、千部を両親の成仏のために、残り千部を法界衆生のために供養したことがわかり、信仰表現がよく読み取れる。建立者は「沙弥西道」と刻まれている。
 銘文は、「癸未沙弥西道 法華経二千部内敬白 三月 康永第二天暦 日 一 千部二親成仏道為  一 千部法界衆生為」とある。