上野の阿弥陀如来坐像
うえののあみだにょらいざぞう
地図(広域中域詳細
Google Mapで表示

 中井町西方にある阿弥陀如来坐像である。元々は対岸の寺にあり、廃寺のために現地に勧請したと伝える。座高84㎝、檜寄木造座像、左右一・二指を捻ずる上品下生相の像は、頭部の比率の均衡がよく、豊かな納衣文様のたたみ方、ふくよかさを失わぬ顔容は、弛みも見せず首の三道につづき、印相にみる三十二相の一つ「手足指縵網相」まで忠実につくられ、全体に漂う流麗優美なる表現は、この地域には稀な秀作であり、定朝様をそのまま伝える平安時代末期頃の作像と思われる。