刀 銘備中松山臣前田寿実
かたな めいびっちゅうまつやましんまえだとしざね

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 備中松山藩主板倉勝静が佩用(はいよう)したと伝えられる刀である。鞘は定紋九曜巴と裏紋の花菱を金蒔絵した端正な拵(こしらえ)で、落ち着いた縁、把頭は堅実で実用的である。目貫は「つたの葉」となっている。長さは79.69㎝、反りは3.6㎝、身幅は3.4㎝であり、刃文は富士見西行の焼出し、こぶし丁子に重花丁子が見られる。備中松山臣前田寿実、嘉永元年五月日(1848)と切っている。
 寿実は備前伝を学び、備前長船の横山加賀介、祐永に酷似して遜色がない。近似鍛冶屋町の藩直営の鍜刀場で作刀したものであろう。