八重籬神社六角神輿
やえがきじんじゃろっかくみこし
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 八重籬神社に伝わる六角神輿は、露盤・屋根・胴・台輪とも六角形につくられ、全体を朱漆塗で仕上げている。唐破風を付けた屋根には各面に板倉家の家紋の九曜巴を飾り、野筋の先には大きな蕨手をつけている。胴は各面に金箔を押した両開きの扉を設け、二段の組物の下には竜や唐獅子を極彩色で描いている。各扉の前には鳥居をたて、それぞれの間を高欄で結んで囲垣としている。屋根や胴、台輪の随所に九曜巴をあしらった金具を飾り、各面の軒先にも九曜巴と花菱を綴り合わせた金具を吊るしている。神輿の底板に「天保十四年卯三月吉日細工人大坂心斎橋本町北江入 鎌田常右衛門調之」(1843)の墨書があり、八重籬神社が現在地に移った天保13年の翌年に、大坂心斎橋の鎌田常右衛門によって作成されたものである。
 鎌田常右衛門による神輿は、福井県左伎治神社(文政4年・1821)ほか、4ヵ所に現存している。