臍帯寺石幢及び石塔婆
ほそおじせきどうおよびせきとうば
地図(広域中域詳細
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 有漢町上組大石地区の保月にある石幢は市道脇の山際にあり、石塔婆は約150m下った道脇に立っている。
 石幢は花崗岩の六角柱の上に六角の笠石と五輪塔を重ねた珍しい石造物である。本来は笠石の上に請花と宝珠がのるが、五輪が流用されている。総高は264㎝で、正六角柱の径約50㎝、一辺25㎝前後で、上部がやや細くなっている。
 第一面に7つの仏が彫られ、造立の趣旨があり、各面に仏と銘文が刻まれている。初七日より十三年忌までの十二尊像を彫り、仏道修業の道標とするとの趣旨で、室町時代以後の十三仏信仰への過渡期を示す貴重な資料として注目されている。第六面に「願主沙彌西信結義西阿 嘉元四年十月廿四日 大工井野行恒 敬白」(1306)とある。
 石塔婆は釈迦、阿弥陀、地蔵の三尊が刻まれているので、三尊板碑とも呼ばれている。高さ314㎝、幅43㎝、厚さ30㎝という大きな花崗岩製の板碑である。三尊の下部に「心王念法不可破壊 嘉元三季乙巳十一月十三日 結衆二十八人敬白 大願主 漆 真時 大工 井野行恒」(1305)と彫られている。