保月の宝塔・石塔婆
ほづきのほうとう・せきとうば
地図(広域中域詳細
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 臍帯寺六面石憧に並んで立っている。宝塔の基礎、笠、相輪は一式で、塔身がなくなっており、代わりに他の層塔の一部が挿入されている。総高214㎝の宝塔の変形した二重塔である。笠の下部に円形の突出があり、下に卵形の塔身があったことを示している。基礎の銘文には五輪塔婆一基となっている。内容は、嘉元3年(1305)2月27日の作で、西信の父母と西阿の亡母の供養のために造立したとの主旨が刻まれている。石大工井野行恒と在銘した作品の有漢での初作であるとともに、彼が生涯40年にわたって残した数々の作品中最初のものである。
 数m離れた所にある石塔婆は上部約三分の一がなくなっており、現在の高さは84㎝、幅26㎝の角柱は断碑または破損板碑とも呼ばれている。嘉元3年卯月尼西阿の養父笠四郎と養母の菩提を念じて造立されたものである。井野行恒の作と考えられている。