綱島静観が母校の有漢小学校へ寄贈した作品で、「死の島」と「宝来の島」と呼ばれているが、実は大正7年(1918)第12回文展入選作の「月瀬二題」という一対の秀作である。 月瀬とは人生の尽き世であり、来世の明暗を表現したものである。 静観は明治の思想家綱島梁川(りょうせん)の実弟で橋本雅邦に学び明治・大正・昭和と活躍し、昭和38年(1963)87歳で没している。