木造聖観音菩薩立像
もくぞうしょうかんのんぼさつりゅうぞう
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 長建寺は、曹洞宗善福寺の末寺で、永正15年(1518)僧祖潭が開山したといわれる。
 この聖観音菩薩立像は、俗に33年目でなければ開かれない秘仏として、それが何時代につくられた仏像であるか全く世に知られてなかった。記録によっても、天明8年(1788)・文政3年(1820)・嘉永5年(1852)・明治17年(1884)・大正7年(1918)・昭和8年(1933)・昭和42年(1967)・平成7年(1995)に開帳されているのみである。
 この仏像は平安時代の終わりごろの見事な藤原仏で、像高165.5㎝、肩張り37㎝の一木造りである。両容、天衣などの彫りも深く秘仏として厚い信仰を受けてきたのもさぞかしと思われる。
 中世以前の仏像は、高梁川上流域には残っておらず、極めて貴重なものである。