○高梁市認知症総合支援事業実施要綱

令和4年5月6日

告示第108号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 認知症初期集中支援推進事業(第5条―第15条)

第3章 認知症地域支援・ケア向上事業(第16条―第19条)

第4章 認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業(第20条―第22条)

第5章 雑則(第23条―第24条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この告示は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条45第2項第6号の規定に基づき、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けていくため、市が高梁市認知症総合支援事業(以下「事業」という。)を施行することについて必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この告示における用語の意義は、法、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)、介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施を図るための指針(平成27年厚生労働省告示第196号)、介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて(平成27年6月5日老発0605第5号厚生労働省老健局長通知)及び地域支援事業の実施について(平成18年6月9日老発第0609001号厚生労働省老健局長通知)の例による。

(実施主体)

第3条 この事業の実施主体は、高梁市とする。ただし、省令第140条の67に基づき、適切な事業運営が確保できると認められる者に対し、事業の全部又は一部を委託することができる。

(事業内容)

第4条 市長は、次に掲げる事業を実施する。

(1) 認知症初期集中支援推進事業

(2) 認知症地域支援・ケア向上事業

(3) 認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業

(4) その他認知症の者、その家族等に対する支援に関し必要な事業

第2章 認知症初期集中支援推進事業

(認知症初期集中支援推進事業)

第5条 市長は、高梁市認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を高梁市地域包括支援センターに配置し、認知症の者又は認知症の疑いのある者に対する初期段階における集中的な支援(以下「初期集中支援」という。)を行い、認知症の早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築するため、認知症初期集中支援推進事業を実施する。

(訪問支援対象者)

第6条 前条の事業の対象者は、市内に住所を有する概ね40歳以上の在宅生活をしている者であって、認知症の者又は認知症が疑われる者のうち、次の各号のいずれかに該当する者(以下「訪問支援対象者」という。)とする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又は中断している者で、次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動又は心理症状が顕著なため、家族等がその対応に苦慮している者

(実施体制)

第7条 支援チームは、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、家族の希望等に応じて訪問支援対象者及びその家族(以下「訪問支援対象者等」という。)に対する初期集中支援を行うことにより、訪問支援対象者の自立生活のサポートを行うものとする。

(支援チームの構成)

第8条 支援チームは、専門職2人以上及び専門医1人による3人以上の高梁市初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)で構成するものとし、専門職及び専門医の要件は、次のとおりとする。

(1) 専門職は、次のいずれにも該当する者とする。

 保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士その他の医療保健福祉に関する国家資格を有している者

 認知症ケア又は在宅ケアの実務経験が3年以上である者

 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、試験に合格した者(当該試験に合格したチーム員と当該研修の受講内容を支援チーム内で共有する者を含む。)

(2) 専門医は、次のいずれかに該当する医師とする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、国が実施する認知症サポート医養成研修を受講し、又は今後5年間において当該研修を受講する予定のある者

 の研修を受講した医師であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有し、かつ、認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている者

(チーム員の役割)

第9条 チーム員は、訪問支援対象者の認知症の包括的な観察及び評価に基づく初期集中支援を行うために、訪問支援対象者等に対して訪問活動等を行うものとする。

2 専門医は、認知症に関して専門的見識からチーム員に指導、助言等を行い、必要に応じてチーム員とともに訪問支援対象者等を訪問し、相談に応じるものとする。

3 訪問支援対象者等に対する第1項の規定による観察及び評価に係る初回の訪問(以下「初回訪問」という。)は、原則として2人以上のチーム員で行うものとする。

(初回訪問)

第10条 支援チームは、初回訪問をする際、訪問支援対象者等に対し、次に掲げる支援を行うものとする。

(1) 支援チームの役割及び計画的関与を行うことの説明

(2) 認知症状についての包括的な観察及び評価

(3) 基本的な認知症に関する情報提供

(4) 専門的医療機関への受診及び介護サービスの利用の効果に関する説明

(5) 訪問支援対象者等に対する心理的サポート、助言等

2 支援チームは、訪問支援対象者及び予め協力の得られる者が同席できるよう調整を行い、訪問支援対象者の現病歴、既往歴、生活情報、家族の状況等の情報を収集するものとする。

(チーム員会議)

第11条 支援チームは、初回訪問後直ちに、訪問支援対象者ごとに、第9条第1項の観察及び評価の内容を総合的に確認し、支援方針、内容等を検討するため、専門医を含むチーム員会議を開催するものとする。

2 支援チームは、必要に応じて訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、市職員等にチーム員会議への出席を求めるものとする。

(初期集中支援)

第12条 支援チームは、訪問支援対象者等が医療サービス又は介護サービス等による安定的な支援に移行するまで概ね6月間、次に掲げる初期集中支援を実施するものとする。

(1) 医療機関の受診が必要な場合の当該受診に向けた動機付け

(2) 継続的な医療機関の受診及び医療サービスに至るまでの支援

(3) 介護保険サービスの利用に向けた勧奨及び誘導

(4) 訪問支援対象者の認知症の重症度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境の改善

(7) その他必要な初期集中支援

(引継ぎ及び引継ぎ後のモニタリング)

第13条 支援チームは、初期集中支援の終了がチーム員会議において判断されたときは、支援を担当する者へ円滑に引継ぎを行うものとする。

2 支援チームは、前項に規定する引継ぎ後の原則2月後に、医療サービス及び介護サービスの利用状況等を評価し、訪問支援対象者等に対する支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

(認知症初期集中支援チーム検討委員会)

第14条 市長は、支援チームの活動状況についての検討及び活動状況の評価を行うため、認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「支援チーム検討委員会」という。)を設置する。

2 支援チーム検討委員会は、高梁市地域包括支援センター運営協議会要綱(平成28年高梁市告示第153号)第9条第1項第3号に規定する認知症施策検討委員会をもって充てる。

(普及啓発)

第15条 市長は、市民、関係機関、関係団体等に対し、支援チームの役割及び機能について、広報活動及び協力依頼を行う等普及啓発に努めるものとする。

第3章 認知症地域支援・ケア向上事業

(認知症地域支援・ケア向上事業)

第16条 市長は、認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を配置することにより、当該推進員を中心として医療、介護等の連携を強化し、地域における支援体制の構築及び認知症ケアの向上を図るため、認知症地域支援・ケア向上事業を実施する。

(実施体制)

第17条 市長は、高梁市地域包括支援センター等に、次の各号のいずれかの要件を満たす者を推進員として配置するものとする。

(1) 認知症の医療又は介護における専門的知識及び経験を有する医師、保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士又は介護福祉士

(2) 前号に掲げる者のほか、認知症の医療又は介護における専門的知識及び経験を有する者で市長が認めたもの

2 推進員は、国が実施する認知症地域支援推進員研修を受講するものとする。

(推進員の業務内容)

第18条 推進員の業務内容は、次のとおりとする。

(1) 認知症の者に対し、状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、地域包括支援センター、医療機関、介護サービス事業者、認知症サポーター等の地域において認知症の者を支援する関係者の連携を図るための取組

(2) 地域の実情に応じて、地域における認知症の者及びその家族の相談支援並びに支援体制を構築するための取組

(3) 次に掲げる事業の実施に関する企画及び調整

 病院、介護保険施設等で認知症対応力を高めるための支援事業

 地域密着型サービス事業所、介護保険施設等での在宅生活継続のための相談及び支援事業

 認知症の者の家族に対する支援事業

 認知症ケアに携わる多職種協働のための研修事業

(嘱託医の配置)

第19条 市長は、医療と介護の連携を図り、地域において認知症の者への支援を行う関係者の会議への出席及び助言を行うため、嘱託医を配置する。

2 嘱託医は、第8条第2号に定める医師と兼ねることができるものとする。

第4章 認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業

(認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業)

第20条 市長は、認知症の者ができる限り地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症の者やその家族の支援ニーズと認知症サポーターを中心とした支援を繋ぐ仕組みである「チームオレンジ」を地域ごとに整備し、認知症施策推進大綱(令和元年6月18日認知症施策推進関係閣僚会議決定)に掲げた「共生」の地域づくりを推進するため、認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業を実施する。

(実施体制)

第21条 市長は、高梁市地域包括支援センターにチームオレンジコーディネーターを配置する。この場合において、推進員がチームオレンジコーディネーターを兼ねることができるものとする。

(チームオレンジコーディネーターの役割)

第22条 前条に規定するチームオレンジコーディネーターの役割は、次のとおりとする。

(1) チームオレンジの支援

 地域で暮らす認知症の者やその家族の支援ニーズを把握するため、本人ミーティングの場の活用や地域・職域における認知症サポーターその他の地域住民からの情報収集・分析

 ステップアップ講座の企画や受講勧奨などの実施支援

 ステップアップ講座を受講した認知症サポーター等によるチームオレンジの編成支援

 企業・職域型の認知症サポーターや小・中・高校生認知症サポーターに対するチームオレンジへの参加の働きかけ

 地域の医療・介護の関係機関や小売業・金融機関・公共交通機関などの生活関連の企業・団体等との連携体制の構築

(2) チームオレンジの運営において中核的な役割を担うメンバー(チームリーダー等)が行う次の取組に対する支援

 認知症の者やその家族の視点を反映したチームオレンジの活動方針の検討

 チームオレンジのメンバーの管理

 認知症の者やその家族の支援ニーズとチームオレンジの支援とのマッチング

 チームオレンジの活動を通じて得られた個人情報の適切な管理

 チームオレンジの定例会の開催

 その他運営に関する助言等

第5章 雑則

(守秘義務等)

第23条 第4条の事業に従事する者は、事業に関し知り得た個人に関する情報その他の秘密事項を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(その他)

第24条 この告示に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この告示は、公布の日から施行し、令和4年4月1日から適用する。

高梁市認知症総合支援事業実施要綱

令和4年5月6日 告示第108号

(令和4年5月6日施行)