医師不足や診療科の偏在が問題となっている地域で、将来、地元の医療を支えてくれる医師を確保するため、岡山大学の医学部に設置された地域枠や、都道府県が共同で設立した自治医科大学において、医師不足地域等の医療に従事する医師が養成されています。
令和6年8月17日・18日にかけて、岡山大学などの地域枠学生と自治医科大学生の地域医療への理解と相互の交流を深めるための合同セミナーが高梁市で開催されました。合同セミナーには、本市の医学生奨学生も参加しました。
(1)高梁中央病院では、戸田理事長から病院の紹介と、地域医療で学べる内容など学生の多くが気になることについて、自身の経験やこれまでのキャリアを通してのお話がありました。
お話の中で「地域勤務は縛りではなく、幅広い経験のチャンスととらえ、焦らずキャリアは10年計画で考えてみてはどうか。地域医療は自分の価値を感じられる場所、いつか地域医療に戻ってきてくれると嬉しい」との学生へメッセージを送りました。
また、地域枠卒業医師として現在勤務している渋谷医師から、地域の病院であったからこそできた自身の業務経験を地域枠の後輩にお話しされました。
その後、ドクターヘリが離発着する屋上へリポートや入院病棟の見学をしました。
(2)備中診療所では、眞壁院長から備中地域の概要や診療所施設の説明がありました。
その後、診療所の見学をしました。
(1)成羽病院では、はじめに眞壁院長から病院の紹介がありました。
その後、自治医科大学を卒業し現在常勤医師として働く藤原先生から、地域医療と専門医療の違いや視座を変えて地域医療に携わったことで気づいた地域医療の魅力などについて、自身のキャリアを振り返りながらお話がありました。また、自身の地域勤務で配置された病院それぞれで学んだことや、その過程で積極的に経験してよかったことなどのアドバイスをお話しされました。
その後、リハビリ室や手術室などの見学をしました。
(2)川上診療所では、菅原所長から高梁市の地域包括ケアの拠点施設である川上医療センターについての説明がありました。
「地域づくりをまちづくりの中心に据える」ことを基本に、医療・介護・住まいの複合施設を中心とした「川上方式」によるまちづくりについてお話しをされました。
その後、診療所の見学を実施しました。
成羽美術館を見学した後、成羽たいこまるプラザで、近藤市長の講話がありました。
高梁市のPR動画を交えながら、高梁市の概要や医療施策を含めた重点施策の紹介を聞きました。
「我慢をさせない災害支援」をテーマに、災害時に起こり得るケースを想定してグループワークを実施しました。
想定されたケースの問題点、解決策、連携先をグループで話し合いました。
その後、大学の教授からのグループワークへのフィードバックや実際にJMATとして能登半島地震の被災地で支援を実施した先輩医師からの発表を聞きました。
今回のセミナーでは、吉備ケーブルテレビの取材があり、インタビューを受けた学生は、将来地域医療に携わることへの思いを答えていました。
2日目は吹屋診療所の見学を行いました。
吹屋診療所と成羽病院が電子カルテで連携されていることやへき地拠点病院としての成羽病院の役割について説明を受けました。
その後、吹屋ふるさと村の散策や染物体験、旧吹屋小学校の見学を行いました。