当館館長の山田敦は、山田方谷から数えて5代目の玄孫にあたり、山田家には方谷以来の歴史的な史料が数多く伝来しています。
当館では、施設の設備的な制約から実物史料の展示を常時行うことができず、レプリカを中心とした展示を行っています。しかし、どうにか実物史料をご覧いただく機会が作れないかとの思いから、期間を限定して、山田家に伝来した史料をシリーズ的に展示することとしております。
今回は令和5年6月26日の山田方谷の没後146年にあわせて「其の六」として、備中松山藩士で山田方谷の弟子にあたる神戸秋山と大石隼雄がそれぞれ方谷に宛てた書状を展示します。
藩校有終館や私塾牛麓舎などで教育にあたった方谷には、三島中洲や川田甕江をはじめとして多くの弟子がいましたが、方谷が彼らと交わした書状を読み解くことによって、当事者間の個人的なことがらだけではなく、当時の政治や社会について新たな知見を得ることもできます。
今回展示する書状は、多くの古文書が収録されている刊本である『山田方谷全集』や『魚水実録』には掲載されておらず、初公開となるものです。これらの史料は、方谷と弟子との信頼関係や、幕末の混迷した状況に備中松山藩関係者がどのように向き合ったかをものがたります。この機会にぜひご来館いただきご覧ください。
■期 間 令和5年6月24日(土曜日)~8月31日(木曜日) 9時00分~17時00分
(方谷の命日:6月26日)
■展示物 山田方谷宛神戸秋山書状 慶応元年(1865)5月4日付
山田方谷宛大石隼雄書状 慶応4年(1868)1月8日付
■入館料 大人500円、小中学生250円
(高梁市在住の小中学生、65歳以上は無料)
■場 所 山田方谷記念館(高梁市向町21) 電話:0866-22-1479
山田方谷宛神戸秋山書状(板倉勝静の老中任命の見込みを報告)
山田方谷宛大石隼雄書状(戊辰戦争の情勢を伝える)