ページの先頭です。 本文へ
現在地 トップページ > 日本遺産 「ジャパンレッド」発祥の地 > 赤い町並みの景観と魅力

赤い町並みの景観と魅力

ページID:0036090 印刷用ページを表示する 掲載日:2020年6月19日更新

 峡谷沿いの道から山へ分け入り、人家も稀な急峻な山道を進むと、突如として眼前に現れる「赤い町並み」に驚く。赤褐色の瓦で葺かれた屋根、弁柄塗りの格子で鮮やかに統一された立派な町家が道の両脇に並ぶ。岡山県中西部の吉備高原上に位置する吹屋の町並みである。

まちなみ
<赤く彩られた吹屋の町並み>

 当地は、かつて弁柄と銅の生産地として繁栄した鉱山町で、備後(びんご)東城(とうじょう)(現在の広島県庄原(しょうばら)市)と備中成羽(なりわ)(現在の岡山県高梁(たかはし)市成羽町)を結ぶ旧吹屋往来の中継地点にも位置し、各種物資の集散地として大いに賑わい、往来沿いには弁柄問屋や宿屋、銅山労働者を対象とした各種の小売商を営んだ家々が軒を連ねた。その財力を背景として、各商家等は石見(いわみ)(現在の島根県西部)から宮大工や瓦職人を招請し、競うように優れた意匠の町家を建築した。そうした地域の人々の活発な営みの中で形成されたのが、他に例を見ない「赤い町並み」の景観である。