当館館長の山田敦は、山田方谷から数えて5代目の玄孫にあたり、山田家には方谷以来の歴史的な史料が数多く伝来しています。当館では、施設の設備的な制約から実物史料の展示を常時行うことができず、レプリカを中心とした展示を行っています。しかし、どうにか実物史料をご覧いただく機会が作れないかとの思いから、期間を限定して、山田家に伝来した史料をシリーズ的に展示することとしております。
今回は、方谷が弟の平人(瑚太郎)へ宛てた2通の書状を紹介します。史料からは、大坂で医学を学ぶ身であった平人のことを気遣う方谷の様子がわかるだけでなく、方谷が板倉勝静のことをどのように思っていたかを知ることができます。
このころの藩主は板倉勝職ですが、方谷は、のちに藩主になる勝静の教育係を務めており、学問や稽古に懸命に励んでいる勝静の様子を見て安心していると平人に伝えています。勝静の教育係を務めて日は浅いですが、このころから築かれた勝静と方谷との信頼関係がのちの藩政改革に大きく影響したと考えられます。
今回の展示を通じて、方谷と勝静との関係性や方谷の考える藩主としてあるべき姿について知っていただけましたら幸いです。
■入館料 大人500円、小中学生250円(高梁市在住の小中学生、65歳以上は無料)
■期 間 令和6年6月26日(水曜日)~8月31日(土曜日) 9時00分~17時00分
(方谷の命日:6月26日)
■展示物 山田瑚太郎宛山田方谷書状 弘化元年(1844)8月29日付
山田瑚太郎宛山田方谷書状 弘化2年(1845)6月晦日付
■入館料 大人500円、小中学生250円
(高梁市在住の小中学生、65歳以上は無料)
■場 所 山田方谷記念館(高梁市向町21) 電話:0866-22-1479
山田瑚太郎宛山田方谷書状(勝静に『通鑑綱目』を教える様子を伝える)
山田瑚太郎宛山田方谷書状(勝静が村を巡見した時の様子を伝える)
展示風景