当館館長の山田敦は、山田方谷から数えて5代目の玄孫にあたり、山田家には方谷以来の歴史的な史料が数多く伝来しています。当館では、施設の設備的な制約から実物史料の展示を常時行うことができず、レプリカを中心とした展示を行っています。しかし、どうにか実物史料をご覧いただく機会が作れないかとの思いから、期間を限定して、山田家に伝来した史料をシリーズ的に展示することとしております。
今回は、方谷221回目の生誕日と方谷記念館開館6周年にあわせて山田家伝来の史料展「其の九」として、方谷が息子の耕蔵へ宛てた書状を紹介します。
この書状には、方谷が老中板倉勝静を通じて、江戸幕府第15代将軍徳川慶喜に伝えた、政治を行ううえで大切にすべきことが記述されています。このころ方谷は、京都・大坂にいる勝静を補佐し、幕政に関与していました。方谷は、勝静が幼い頃から教育係として理想の君主像を説いていましたが、幕政に関与するようになってもその考えは変わらず、幕府が崩壊をむかえるなか、政治にとって大切なことを見つめなおすべきだと考えていました。
しかし、幕政では自分の考えが採用されないと嘆く気持ちを、耕蔵に伝えています。
この書状からは、方谷の幕府に対する考えや昔から変わらない理想の君主像を読み取ることができます。ぜひご来館いただき、ご覧ください。
■期 間 令和7年2月28日(金曜日)~5月31日(土曜日) 9時00分~17時00分
(方谷の生誕日:2月21日、開館6周年:2月24日)
■展示物 山田耕蔵宛山田方谷書状 慶應3年(1867)ヵ
■入館料 大人500円、小中学生250円
(高梁市在住の小中学生、65歳以上は無料)
■場所 山田方谷記念館(高梁市向町21)
電話:0866-22-1479
山田耕蔵宛山田方谷書状(政治をするうえで大切なことを慶喜に伝える)
展示風景