当館館長の山田敦は、山田方谷から数えて5代目の玄孫にあたり、山田家には方谷以来の歴史的な史料が数多く伝来しています。当館では、レプリカを中心とした展示を行っていますが、期間を限定して、山田家に伝来した史料をシリーズ的に展示することとしております。
今回は、方谷の没後150年を前に、会津藩士の手代木直右衛門と江戸幕府に仕えた儒学者の林学斎がそれぞれ方谷へ宛てた二通の書状を紹介します。
一通目は、江戸から松山へ帰る直前の方谷に、手代木が京都から差し出した書状です。手代木は、自らの求めに応じて、方谷が松山で手代木に近しい人物と会うと約束してくれたことに感謝しています。
二通目は、江戸にいる林が京都にいる方谷に宛てた手紙です。京都に滞在する江戸幕府将軍徳川家茂のもとへ向かう目的を記したものです。
幕末に天皇の政治的地位や、天皇のいる京都の重要性が高まるなか、ほぼ同時期に方谷に届いた二通の手紙から、混乱する政情と政治の舞台が江戸から京都へ移り変わっていく様子が読みとれます。
今回の展示を通じて、幕末の動乱期に、方谷が果たした政治的役割について考える機会となれば幸いです。ぜひ、ご来館ください。
■期 間 令和7年6月26日(木曜日)~8月31日(日曜日) 9時00分~17時00分
(方谷の命日:6月26日)
■展示物 山田方谷宛 手代木直右衛門書状 文久3年(1863)2月4日
山田方谷宛 林学斎書状 文久3年(1863)5月22日
■入館料 大人500円、小中学生250円
(高梁市在住の小中学生、65歳以上は無料)
■場所 山田方谷記念館(高梁市向町21)
電話:0866-22-1479
山田方谷宛 手代木直右衛門書状
(方谷が会ってくれることに感謝している)
山田方谷宛 林学斎書状
(上洛する目的を伝える)
展示風景