当館館長の山田敦は、山田方谷から数えて5代目の玄孫にあたり、山田家には方谷以来の歴史的な史料が数多く伝来しています。当館では、レプリカを中心とした展示を行っていますが、期間を限定して、山田家に伝来した史料をシリーズ的に展示することとしております。
今回は、方谷の222回目の誕生日と方谷記念館開館7周年にあわせて、方谷が矢吹久次郎(やぶききゅうじろう)へ宛てた書状を紹介します。
矢吹久次郎は、上市(現新見市上市)の大庄屋で、鉄山業や酒造業を営んだ人物です。久次郎が14歳のとき、方谷が開いた私塾である牛麓舎に入り、方谷のもとで学んだことから、2人は関わりを持つようになります。退塾した後も、方谷の娘の小雪を養女として育て、矢吹の息子の発三郎の嫁に迎え入れるなど、方谷との関係は続きました。
この書状は、慶応4年(1868)の鳥羽伏見の戦いの直後に記されたものです。鳥羽伏見の戦いでは、旧幕府側が大敗し、旧幕府側の備中松山藩の存続が危うい状況となります。そのようななか、方谷はこの先どうなるかわからない自身のことよりも、娘や家族を気にかけ、自分がいなくなった後も娘や家族が困ることのないよう矢吹に託しており、遺言とも受け取れる内容となっています。
今回の展示を通じて、方谷と矢吹家の関係性や、娘や家族の幸せを願う方谷の人間性について知る機会となれば幸いです。
■期 間 令和8年2月20日(金曜日)~5月31日(日曜日) 9時00分~17時00分
(方谷の誕生日:2月21日 開館7周年:2月24日)
■展示物 矢吹久次郎宛山田方谷書状 慶応4年1月
■入館料 大人500円、小中学生250円
(高梁市在住の小中学生、65歳以上は無料)
■場所 山田方谷記念館(高梁市向町21)
電話:0866-22-1479

矢吹久次郎宛山田方谷書状

展示風景